分 煙 壁 新 聞 5. 1998.5.20 分煙堂本舗 〒115 東京都北区神谷3−28−12−2B ・Fax/03−3901−7131 ★たばこ病訴訟提訴/ 5月15日、長年の喫煙が原因で病気になったとして、7名の患者(肺癌3・肺気腫3    ・喉頭癌1)が東京地裁に提訴し、原告3名と弁護士9名が記者会見を行ないました。 伊佐山芳郎(弁護団長)=提訴の目的は 原告の被害回復  喫煙規制策の転換  未成年をタバコから守るの3  点。日本の喫煙対策は欧米に30年遅れており、またWHOの勧告も無視している。問題点は テレビ・ラジオ  等の広告  50万台の自販機  有害表示がないこと。「吸いすぎに注意」はむしろ安全性の巧妙なPRだ。同  じマイルドセブンのパッケージが(実物を示し)、日米加でこんなに表示が違う。「たばこ事業法」という、  世界に類のない悪法が問題だ。「本人が好きで吸っていたのだから自業自得」という意見があるが、喫煙者の  約7割が「やめたいがやめられない」という現実があり、害の正しい情報がなされていないのだから、これは  自己責任とは言えない。JTは「疫学的にはともかく、病理学的には害は立証されていない」と言うが、判例  上も疫学の立証で十分だ。病理学的にもマウス・犬の実験で証明されている。大蔵省の責任は重大であり、厚  生行政も遅い。これは憲法25条第2項(「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛  生の向上及び増進に努めなければならない」)に違反している。 荒木照夫(原告団長/肺癌/71歳/奄美大島/歯科医師)=1981年に手術したが、翌年、風邪で死にかかった。  そこで東京から奄美大島に移住した。在宅酸素吸入を毎日2〜6時間やっている。若い世代に自分のような辛  い思いをさせたくない。 Y原告(肺気腫/64歳/京都/吸入器を付けながら会見)=新聞で「たばこ病被害者110番」を見て電話した。  中学2年から喫煙を始めた。タクシー運転手をしていたが、バブル後ヒマで本数が増え、多いときは1日60本  吸っていた。今は女子中高生が吸っている。何で高いカネ出して自分を傷つけるのか。損害賠償はともかく、  これは一種のキャンペーンだ。自販機をやめてほしい。 N原告(肺癌/72歳/京都)=タバコで身障者にされ「糞ったれ」と思っていたが、自分は他の原告に比べれば  まだ軽い。入院時、隣のベッドに小4から喫煙開始した高校生の肺癌患者がいた。若い人の癌は進行が速い。  今回の提訴が報道されれば、社会に宣伝されて皆がタバコに注意するだろう。 山口紀洋(弁護団事務局長)=第2弾・第3弾の提訴も準備中だ。「たばこ病訴訟を支える会」も出来た。山崎  正和が厚生省検討会や毎日新聞で「タバコは文化」と言っているが、「文化を語る前にタバコの害を知れ」と  言いたい。我々は喫煙者を敵視するのではない。害を知ってほしいのだ。 以下、記者団からの質問 Q=やめようと思ったことは? 荒木=医者の端くれとして良い物とは思ってなかったが、ニコチンの依存性・習慣性で手が出てしまった。 Q=タバコ会社・国に対する怒りは? 荒木=伊佐山団長の言う通りだ。日本と外国で表示が違うのはおかしい。 Q=「自己責任」についてどう思うか? 荒木=お金が欲しくて訴えるのではない。あと何年生きられるか分からない。麻薬的な物を吸っていた。 山口=タバコには依存性がある。「死にますよ」と言われればやめるが、権威ある正しいデータの提供がない。 Q=一番の争点は? 伊佐山=こちらは争点とは思っていないが、(喫煙と発病の)因果関係は論破できる。米の訴訟ではタバコ会社  の内部資料が開示されたが、日本でも内部資料の提出命令を求める。 Q=診断書にはタバコのことが書いてあるか? 伊佐山=病名しかないが、必要があれば医師の意見書として出す。既に因果関係は明らかだ。 山口=むしろタバコ会社の方が「タバコが原因ではない」という反証を示すべきだ。 Q=日常生活に支障はあるか? Y=これは言うに言われぬしんどさだ。息切ればかりする。風呂もトイレも吸入ボンベを付けていなければなら  ない。「風邪をひいたらおしまい」と医師に言われているので、とにかく風邪をひかないように気をつけてい  る。生活も苦しい。「しもうた」と思った時はもう遅い。お金も大事だが、キャンペーンして害をPRしてほ  しい。橋本首相も赤塚不二雄もタバコをやめてほしい。 三枝基行(弁護副団長)=これが報道されれば原告が増えるだろう。現在、弁護団は1円も貰っていない。寄せ  られたカンパは弁護報酬には使わず、交通費等の諸経費に充てる。もっとも、原告がもっと多くなったら、無  報酬ではやって行けなくなるかも知れないが。 1998・5・15 たばこ病訴訟記者会見レジメ   [於・司法記者クラブ]     弁護団長  弁護士・伊佐山 芳郎     一.たばこ病訴訟提起に至るまでの経緯について  1.97年7月16日=たばこPL訴訟準備会発足 2.同年11月18日=たばこ病110番→4台の電話鳴り続ける(84件の問合せ) 肺癌、喉頭癌、肺気腫、壊疽、心臓病などの患者、遺族からの電話   →30件から最終的に7件に絞った。→第二次、第三次訴訟へ 二.この裁判の目的は何か?  1.原告らの被害回復  2.国際レベルの有害表示等をさせ、たばこ拡販政策を止めさせること 3.21世紀へ向けて、子供たちをたばこ(ニコチン)の害毒から守ること 三.法律論の支柱  1.因果関係は明らか   世界的レベルの疫学調査報告により、喫煙と肺癌、喉頭癌、肺気腫との因果関係は明らか  2.被告らの責任   ☆日本たばこと大蔵省の責任は、過失責任ではなく、刑法でいう故意責任(未必の故意)→犯罪的、強い悪性。   ☆ 「有効適切な喫煙規制対策」なしでたばこ拡販政策をすすめてきているのは犯罪的で極めて悪性が強い。  (これがポイント)   具体的に言えば、   (一)国際的レベル   イ.1974年からWHOの勧告(具体的勧告)   たばこの宣伝・広告の制限、禁止   喫煙が健康に危険という表示をせよ  自動販売機の廃止   子供たちにたばこを売ることを禁止する   ロ.1989年第一回喫煙対策ヨーロッパ会議(スペイン・マドリード) 『たばこ対策憲章』6項目のうちで   全ての子供と若者は、たばこを吸わせようとするあらゆる誘い・促進から保護され、………喫煙を  開始させるいかなる方法にも対抗出来る支援をうける権利を有する  喫煙することは、健康を害するリスクがあることを知らされる権利がある   ハ.アメリカ、カナダの有害表示を見よ   特に42兆円和解案の表示を見よ。  (二)日本の場合   イ.有害表示なしは欺瞞    ○国際的基準に則った具体的有害表示をせよ(当然のこと)。 「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸い過ぎに注意しましょう」  これは、情報を隠蔽した巧妙な喫煙奨励であって、消費者に対する欺瞞の表示で悪性が極めて強い。  吸い過ぎなければ大丈夫と読める(これがウソ)。第一、何本から吸い過ぎだというのか言わない。   →企業倫理に反する    ○悪性の強い宣伝ビラの例 「スポーツにも人生にもルールがある。ルールがあるからガンバれる。『たばこはハタチになるまで吸 ってはいけない』これがルール。」   日本たばこ協会・大蔵省・総務庁青少年対策部→未成年者喫煙防止キャンペーン    これは未成年の心理に巧みにつけ込んだ、たばこを吸わせるキャンペーンだ!    未成年者喫煙防止キャンペーンにならない!    ○マイルドセブンの欺瞞を見よ。→たばこパッケージの実物紹介   ロ.「実効性ある喫煙規制対策」をとらないでたばこ拡販政策をとるあるいは放任することの責任重大。   有害表示   喫煙が有害であることの積極的宣伝   喫煙の有害性に関する情報   社会教育   等々 四.俗説に惑わされないために  ☆例えば「好きなたばこを吸ってがんなどのたばこ病になっても、それは自己責任(自業自得)ではないか」  との俗説について   これは俗耳には入りやすいが、たばこ拡販政策の構造をみればはっきり誤りである。このような反応は、た  ばこ拡販政策をすすめるJTらの策略に乗せられることを意味する。   →「好きなたばこ」と言うが、そのたばこが悪魔の商品であることを知らされていない。喫煙開始年齢が低   いほど、一日の喫煙本数が多いほど、そして喫煙期間が長いほど肺癌や心臓病、肺気腫などに罹患しやすく   なる(疫学調査)。     又WHO国際疾患分類(WHO International C1assification of Diseases,ICD-10くClassification    F17.2>)において、たぱこ依存症は「精神及び行動異常症」として分類されている。    これらの情報が消費者に届いていないことが問題なのである。 正しい情報が与えられていないところに、消費者の選択の自由はない。つまり、日本の消費者には、喫    煙の結果、20年、30年後にどうなるのかの情報が与えられていないのであるから、喫煙者は大蔵省や日本    たばこのたばこ拡販政策の犠牲者であって、喫煙者の自己責任(自業自得)を言うのは誤りである。自業    自得論は、責任転嫁のだましの手口である。このようなレベルの低い俗説に乗せられてはならない。  ☆「喫煙とがんとの関係は、疫学的にはとにかく、病理学的には証明されていない」という毎度の日本たばこ   のコメントの欺瞞  【二重の意味の欺瞞】   1.「疫学的にはとにかく」とは何か?    世界的レベルでの疫学的調査報告によれば、肺癌、喉頭癌、肺気腫、心臓病等々と、喫煙との因果関係は   明らかであるとされている。疫学的にその因果関係が明らかとされれば、それだけで立証は十分である(判   例)。だから「疫学的にはとにかく」というのは、反論出来ない日本たばこのごまかしニセ論法である。 2.病理学的には証明されていないという欺瞞    動物実験などのデータは病理学である。マウスなどの実験により、ニコチンを投与すると悪性腫湯(癌)   が発生するなどの実験はたくさんある。「証明されていない」という意味が、100%の証明を言うのであれば   それは欺脇である。因果関係は100%の証明の必要はないからである。    たばこ拡販政策をすすめてきている日本たばこは、10年一日のごとく、同じコメントをしている。そのコ   メントの欺瞞については彼らは百も承知でやっているのであり、悪性は極めて強い。その結果、日本では年   間10万人が喫煙が原因で死亡していると試算されているのであり、結果の重大性から言ってもこのような欺   瞞は犯罪的であって許されないと言わなければならない。 五.アメリカの42兆円和解案に関して   喫煙が原因の医療費の出費について、日本で損害賠償請求する可能性はないのか?    →今後の検討課題であり、将来の大きなテーマ 六.尚、今後のたばこ病被害者からの問合せは  「たばこ病訴訟を支える会」事務局(渡辺文学)へお願いします。→ 電話03-3222-6781/FAX03-3222-6780   たばこ病訴訟への決意とご支援のお願い    たばこ病訴訟弁護団長  伊佐山芳郎  日本たばこ産業と大蔵省は、世界の喫煙規制対策の潮流に逆行し、たばこ拡販政策を白昼堂々と取り続けてき ています。その結果たばこ病患者が大量に生み出されてきました。  昨年11月18日、「たばこ病110番」を開設したところ、4台の電話が鳴りっぱなしで全国から84件のたばこ病患 者からの問い合わせが殺到しました。その中から、 肺癌  喉頭癌 肺気腫の被害者のうち7名の原告、弁護 団16名で、たばこ拡販政策をとってきた日本たばこと取締役3名、そして国(大蔵省)を被告にして、彼らの犯 罪性を明らかにし、その責任を追及したいと思います。  日本たばこと大蔵省のたばこ拡販政策の法的根拠となっているたばこ事業法は、史上稀に見る悪法であります。 吸い過ぎ注意などというごまかし表示で日本の消費者を愚弄し、たばこの有害情報を隠蔽して、どんどんたばこ を売って金儲けをしようというのですから、このたばこ事業法は国民の健康権を宣言している憲法第25条、そし て最高水準の身体及び精神の健康享受する権利を宣言している国際人権規約(自由権規約、社会権規約)に違反 していることは明らかです。  因に日本製のマイルドセブンがアメリカで売られる時には「肺癌の原因となる」「心臓病の原因となる」「肺 気腫の原因となる」と明確に表示されているのです。ところが日本の消費者には吸い過ぎ注意などとごまかして いるのです。こんな違法・不当なことをいつまでも放任しておくことは許されないと考えます。  尚、喫煙者は自業自得ではないかとの感じをもっている方がいるとすれば、それはたばこ拡販政策をすすめる 被告らの陰謀にまんまとひっかかっていることになります。若年の時から喫煙し始め、ニコチンの依存によって、 止めるに止められない喫煙者は、第一次的な被害者なのです。非喫煙者が喫煙者の吐き出す煙に悩まされること は、日常的に体験するところですが、根源的に喫煙者も被害者であることに思いをいたしませんと、たばこ拡販 政策の構造を見失い、被害者と被害者がいがみあうということになってしまいます。  私たちたばこ病被害者弁護団は、この訴訟を断固として戦いぬく決意でありますので、皆様のたばこ病訴訟へ の絶大なご支援をお願い致します。   郵便振替/00180-4-419401 「たばこ病訴訟弁護団」   ※カンパは分煙の会宛にお送りいただいても結構ですが、その際は「訴訟カンパ」と明記して下さい。    訴訟支援グループもできました。年会費2000円で、年に数回、裁判の進行状況等をお知らせする通信をお   送りします。経費を除いた残金は弁護団へのカンパに充てられます。 たばこ病訴訟を支える会:    〒102 東京都千代田区飯田橋2−1−4九段セントラルビル203  03-3222-6781/Fax.03-3222-6780 ★KLM日本路線禁煙こぼれ話/この夏から秋にかけて、JAS・JAL・ANAが国内線全席禁煙になります (但し、まだ少し及び腰です)。また、KLM・NWの日本発着便も禁煙に。消息筋によるとこんな経緯が…… 97年12月=KLMは全路線禁煙を打ち出すが、日本路線のみ除かれる。 98年1月=日本人スチュワーデス2名が会社に抗議・質問状。署名を募るが49名中19名しか集まらず。   3月=会社から返事。KLMは禁煙にしたいがパートナー会社のNWが待ったをかけたと判明。NWはJA Lに客を取られたくないらしい。オランダ人喫煙者少数が禁煙に抗議、「吸う権利を与えろ」と訴える。 KLMは彼らに「タバコを半日でやめられるワークショップ」を勧める。費用は会社持ち。クルーセン ターに「ノンスモーカーになるための情報ルーム」を設ける。   4/1=日本路線以外ノンスモーキングフライトに。スモーカーのオランダ人クルーがたくさん日本にリクエ ストして来る。他の路線では機内にお客様用ニコチンガムを用意する。   4/6=「天声人語」にKLM・NWの例を挙げて航空会社の禁煙化が取り上げられる。会社にはダメージと なった模様。   4月末=突然KLM・NWの8月1日からの全面禁煙が発表される。 ★京都・分煙をすすめる会が誕生/去る5月10日、有志7名による謀議が行なわれ、「京都・分煙をすすめる会」   (船越聡代表)が発足しました。会費制・会員制は採らず、公共機関への申入れや「空気の美味しいレスト   ラン」の発掘・拡大等の取組みを行なうとのことで、今後の活発な跳梁跋扈・落花狼籍が期待されます。   次回例会は6月20日(土)18:00「ワンダーカフェ」(京福「北野白梅町」下車)にて。   【事務局】〒613 伏見区淀新町149-25 075−632−5365(夜9時迄) [パソ通]EZK 01410