『分煙壁新聞』第17号(1999.7.10.) ■分煙堂本舗発行/〒115 東京都北区神谷3−28−12−2B Tel・Fax/03−3901−7131 ■たばこ病訴訟第7回口頭弁論が7月6日10時、東京地裁で行なわれました。要 旨は次の通り。 ◆中島美砂子弁護士=[原告第9準備書面を陳述]原告が被った損害とJTの製造 ・販売したタバコとの因果関係は、(ア)喫煙が肺癌・肺気腫・喉頭癌の原因であるこ と、(イ)JTがタバコを製造・販売したこと、(ウ)原告がJTが製造・販売したタバ コを吸ったこと、の事実で立証できる。(ア)は疫学調査で証明されており、(イ)は公知 の事実であるから、原告は(ウ)即ち原告の喫煙状況及び病状の詳細を立証すれば足り る。原告らはタバコの有害性・依存性について何の知識も持たないまま若年齢から 喫煙を始め、平均約40年間・1日約40本喫煙した。被告らは現在もタバコの有害性 ・依存性の明確な表示を全くせず、若者を標的として「タバコは大人の嗜好品」と いうイメージ商戦を展開し、時に大自然の写真を使って喫煙で快適な気分が味わえ るかのような欺瞞的な広告を続けている。被告らがタバコの有害性・依存性の情報 を隠蔽し正確な情報を提供しなかった以上、「原告らは自由意思で喫煙していた」 とは言えない。原告らの自己決定の前提を欠いているからだ。明確な表示を怠った 被告らの責任は重大である。なお、マイルドセブンが米・加などで販売される時は 「喫煙は肺癌の原因になる」「喫煙は心臓病の原因になる」等の明確な有害表示が なされている。被告らは直ちにタバコの有害性・依存性に関するあらゆる情報を開 示すべきである。原告個別の状況は次の通り(住所・年齢・障害級別等は提訴時の もの/年号は西暦/全員男性)。 ▼原告A(鹿児島県/71歳/20歳から34年間喫煙/1日50〜60本/肺癌 /呼吸器機能障害1種1級)配給を契機に喫煙開始。81年に右肺を全摘。その後 は高度慢性呼吸不全のため歩行困難で運動もできない。度々呼吸困難に陥り、95 年から酸素治療を開始。 ▼原告B(京都府/64歳/14歳から44年間喫煙/1日約60本/肺気腫・慢 性気管支炎/呼吸器機能障害1種4級)好奇心から喫煙開始。93年頃から激しい 呼吸困難に陥り、95年「肺気腫で完治の見込みなし」と診断される。現在も通院 ・在宅酸素療法をしており全く仕事ができない状態である。 ▼原告C(兵庫県/53歳/20歳から喫煙/1日約20本/肺癌)友人との付き 合いや恰好よさから喫煙を開始。医師から禁煙を指示されたが、禁煙すると苦しく なるため、97年肺癌と診断されても吸い続けた。手術後の経過は思わしくなく、 98年6月30日、死亡。 ▼原告D(群馬県/66歳/20歳から33年間喫煙/1日約40本/喉頭癌/音 声・言語機能喪失2種3級)友人に勧められ喫煙開始。86年、声が出にくくなっ たため受診し、喉頭癌の診断で手術を受ける。その後も声が殆ど出ず会話が困難。 息切れ・呼吸困難に陥りやすくなり、臭いがわからない等の身体的苦痛や、花の香 りを嗅げない、好きな歌が歌えない等の精神的苦痛を味わっている。声が出ないた め就職も難しく、経済的にも非常に苦しい。 ▼原告E(福岡県/70歳/16歳から50年間喫煙/1日約40本/肺気腫/1 種5の2級[心臓機能障害3級・呼吸器障害4級])軍隊での配給を契機に喫煙開 始。74年十二指腸潰瘍で十二指腸と胃を切除したが、これも喫煙が原因である。 82年階段を上る途中で呼吸困難に陥り、また喉が締め付けられるような苦しさを 感じるようになり、90年肺気腫と診断された。医師に禁煙を指示されたがやめら れず、93年動脈瘤の手術の際に医師から強制的にタバコを取り上げられ、ようや く禁煙できた。狭心症・喘息・高血圧症にも罹患している。身体的・精神的苦痛の 他、仕事もできないため経済的にも非常に苦しい。 ▼原告F(京都府/72歳/20歳から45年間喫煙/1日40〜45本/肺腫瘍 [扁平上皮癌]/呼吸器機能障害1種4級)海軍警備隊の配給を契機に喫煙開始。 88年頃から咳が出ることが増え、90年肺腫瘍で左肺上葉を切除。日常生活では 早歩きや運動ができない。 ▼原告G(長野県/60歳/20歳から40年間喫煙/1日約30本/慢性肺気腫 /呼吸器機能障害1種3級)父・祖母・友人の影響で喫煙開始。88年声帯ポリー プを切除。度々肺炎に罹患し、呼吸困難に見舞われた。98年肺気腫による呼吸不 全の診断を受け、療養中、99年3月6日死亡した。  以上の通り、原告が相次いで亡くなっているので、裁判所には迅速な審理をお願 いする。 ◆裁判長=亡くなった原告は相続人が訴訟を承継されるのか? ◆伊佐山弁護団長=その方向だ。 ◆裁判長=今後の方針は? ◆伊佐山=原告の主張はこれで一応一区切り。被告の反論があれば検討する。 ◆被告JT代理人=次回、原告第8準備書面(因果関係)についての我々の見解を 述べたい。重い問題なので、もう1〜2回主張したい。次回は(因果関係立証の) 方法論を述べる。 ◆裁判長=国は? ◆被告国代理人=JTの反論があるので、その間に検討したい(小さい声のため聞 取り困難)。 ◆JT代理人=最低2回主張したい。疫学にもいろいろな報告があるが、原告が具 体的に示していないので、こちらが先に指摘してよいかどうか、裁判所の示唆を。 ◆裁判長=では、基本的に2回の期日で。 ◆JT代理人=そのように努力するが、それで完成するかどうか。原告の主張にも よる。 ◆裁判長=1週間前(9月14日)迄にJTは主張を出すように。 ◆伊佐山=声が小さくて聞こえなかったが、国は「JTの主張を見てから」という ことか。 ◆国代理人=JTが主張するので、その間、国も並行して検討するということだ。 ◆伊佐山=国が何も主張していないのはおかしい。結局はJTの主張を睨みながら ということだが、そんなことで良いのか。 ◆裁判長=前回も(裁判所は国に対し)実質的な主張をしてもらいたい、と言って いる。 ◆国代理人=努力する。  [次々回日程を決め閉廷] ■内外のタバコ事情や訴訟については伊佐山芳郎弁護団長の新刊『現代たばこ戦争 』(岩波新書614)に詳述されています。ぜひお読み下さい。 ■「迷惑タバコ」シール(3Kシール)丸型が出来ました。 丸型大(85mm)=20枚400円・60枚1000円・100枚1600円 丸型小(40mm)=100枚400円・200枚700円・300枚1000円 ※従来の角型大は丸型大と同価格です(角型小はナシ)。 ※ご注文は商品名を明記して切手(80円以下組合せ)・定額小為替(無記名)・ 図書券・紙幣等で分煙の会迄どうぞ。 ■米コリクサ社(生物科学研究会社)は6月16日、JTと提携し日本や北米で肺癌 の発生を防ぐワクチンの開発・販売を行なうことで合意、と発表。[99.6.17読売] ■米46州に住む先住民族の連合組織がフィリップモリスなど大手タバコ会社を相手 取り、タバコによる健康被害の賠償として、約10億ドル(約1210億円)の支払いを 求める訴訟をサンフランシスコ連邦地裁に起こした。昨年11月の46州政府と大手タ バコ会社との和解では先住民族が支払いの対象外とされたとして、今回の提訴とな った。[99.6.4.共同] ■喫煙率トップは北海道(全国9地域中)。男63%・女26%で、男15年連続・女26 年連続で日本一。肺癌死は全国平均より12%高い。[JT調査/99.6.24産経] ■警視庁池袋署は5月21日夜9時頃から翌日未明にかけ、私服署員約30人が池袋西 口公園(通称「ナンパ公園」)で豊島区の「ポイ捨て禁止条例」(97年10月施行/ 罰金2万円以下)に基づく一斉取締りを実施。空缶を投げ捨てた16歳の女子高生と 19〜34歳の男性6人を次々に取り調べた。同署は7人から誓約書を取る方針だが、 取締り第二弾以降は立件も検討するという。ポイ捨て禁止条例で実際に摘発に踏み 切ったのは全国初。[99.5.22読売(夕)] ■神戸市の須磨海岸が同市「ポイ捨て禁止条例」に基づき7月1日から喫煙制限区 域に。 ■禁煙短歌募集:「ニコチン中毒、ところかまわず」の上の句(五七五)を募集。 官製葉書に住所・氏名・年齢・職業を書き、「〒102 千代田区富士見2−12−2 保健同人ビル 禁煙医師連盟・禁煙短歌係」迄。一人何通でも可。8月31日〆切(消 印有効)。賞金あり。 ■ホームページ等で分煙の会をご紹介下さっている皆様へ:『空気の美味しいレス トラン』(99年・決定版)の郵送価格は80円切手10枚です。また、分煙定例 会は現在「神保町区民会館」で開いています。データの更新をお忘れなく。※旧デ ータを見て富士見区民会館へ行ってしまった方もおりますので、手直しヨロシク。 例会日程は前月初旬に確定します。 《日程》 ▼7月16日(金)18:30=分煙定例会【神保町区民会館(ひまわり館)・和室A】 ※千代田区神田神保町2−40/Tel・03−3263−0741 ※神保町駅(A2出口)3分・九段下駅(5番出口)6分・JR水道橋駅西口8分 ▼7月23日(金)19:00=タバコ問題首都圏協議会総会【ひまわり館・和室B】 ※なお、18:00〜19:00同会場でモンゴルの反煙団体メンバーと交流会を行います。 ▼8月5日(木)19:00=タバコ問題を考える会・千葉 例会【船橋市中央公民館】 ▼8月9日〜10日=全国禁煙教育研修会【川口総合文化センター】 ▼8月27日(金)18:30=分煙定例会【神保町区民会館(ひまわり館)・洋室A】 ▼9月21日(火)10:00=たばこ病訴訟・口頭弁論 【東京地裁627号法廷】 ▼11月30日(火)10:00=たばこ病訴訟・口頭弁論 【東京地裁627号法廷】