分煙壁新聞 32[PS] 2002年3月15日  分煙堂本舗/分煙社会をめざす会 〒115 東京都北区神谷3−28−12−2B  ・Fax=03−3901−7131   随時発行・転載歓迎   たばこ病訴訟第21回口頭弁論が3月12日、東京地裁で開か れ、大河喜彦(JT常務)証人に対する原告側の反対尋問が行な われた。原告=荒木・(三瀬)/弁護団=伊佐山・山口・飯塚・ 片山・三枝・山本・(芦野)/補佐人=津田 <13:30開廷> ◆山口(以下☆)=亡くなった川手訓原告の訴訟承継は遺族の話  がまとまらず、取り下げとなった。尋問は疫学・警告表示等につ  いて行なうが、やや時間が足りないかもしれない。    ◆JT岩淵(以下★)=時間通り終えていただきたい。やはり約  束だから。    ◆飯塚(以下◎)=質問の中で、タバコとは紙巻きタバコ、喫煙  とは紙巻きタバコの喫煙を指す。まず、依存性の問題。ニコチン  には依存性があるか?    ◆大河(以下●)=精神依存性があるが、他の薬物に比べると弱  い。ニコチンには強化効果(依存性薬物の薬物探索行動強化効果  )がある。    ◎喫煙行動の維持にニコチンの強化効果は重要な役割を果たして  ますね?    ●学問的には難しい問題があるが、精神依存に強化効果が役割を  果たしているのではないかという報告がある。アカゲザルを用い  た実験。「喫煙者はニコチンだけで喫煙習慣を維持している」と  いう考えには異論がある。    ◎ニコチン量を増減させる技術はあるか?    ●定量を維持する技術という意味なら、ある。    ◎ニコチンレスタバコを作る技術をJTは持っているか?    ●技術的には可能だ。ニコチンは葉タバコの根で合成されるので、 トマトなどに接ぎ木すれば、ニコチンのないタバコを作れる。ま  た、ニコチンのない種類を使えば作れる。(通常の)葉タバコを  使ってニコチンの無いタバコを作るのは難しい。限りなくゼロに  近づけることはできるが。    ◎過去にニコチンレスタバコを作ったことはあるか?    ●無い。    ◎その理由は?    ●ニコチンレスタバコはニコチンを取り除く過程で好喫味が失わ  れてしまう。消費者の需要性が無くなってしまう。    ◎ニコチンをどれくらい減らすと強化効果が無くなるか、という  研究を社内外でしているか?    ●委託研究ではアカゲザルを使った実験でそういうことを示唆す  る結果はあった。社内では、そういう医学的研究は基本的に行な  っていない。    ◎強化効果が認められる最低量はどれくらいか?    ●考えたことはない。さきほどの実験では、一定量のニコチンと  いう示唆があった。    ◎甲107号証の研究か?「マイルドセブンの強化域値用量(強化効  果が得られる最低含有量)はニコチン含有量の5分の1、即ち0.18mg  とされる」。これはJTの認識と一致しているか?    ●私共はこの種のものは研究したことがないので、比較できない。 これはあく迄アカゲザルの研究だ。    ◎人についての研究は社内でも社外でもしていないのか?    ●(していないので)私共は判断できない。    ◎JTは低ニコチン・低タールタバコを販売しているが、何と比  べて低いのか?    ●いろいろなブランドと比較して、主流煙のニコチン量を比べて  いる。    ◎タバコにはさまざまな添加物があるが、それはタバコ煙の質に  影響するか? 好喫味に影響するか?    ●添加物はタバコに良い味・良い香りをつける為だ。    ◎添加物の中にニコチンの依存性を高める物質はあるか?    ●一切無い。    ◎禁煙の困難性について、「やめた人は大勢いる(から困難では  ない)」と言うが、何かデータはあるか?    ●社内データはある。    ◎出してもらえるか?    ●私の一存では……。    ◎喫煙と肺癌の因果関係について、「さまざまな要因が複雑に絡 み合う」というのがJTの立場か? ●はい。 ◎喫煙以外の要因は? ●大気汚染・脂肪摂取・職歴・遺伝体質とか。 ◎何でそう認識するのか? ●国際的な雑誌に紹介されている研究などで。疫学研究が多い。 ◎「複雑な要因」とは、なぜそう認識するのか? ●いろいろな場面で複雑に(絡み合っている)。 ◎さまざまに絡み合った全てが要因と言えるのではないか? ●それぞれの要因が原因として作用するかどうかは、なかなか言 えない。 ◎(或る)要因を(病気の)原因とする基準値をJTは用意して いないのか? ●(さまざまな要因を)総合的に判断して(原因を)確定するこ とは、論理的には可能だ。 ◎原因とは? ●(肺癌の原因は)或る種の職業癌とか。 ◎職業癌の原因とは? それは疫学研究によるものではないか? ●疫学もあるが、併せて病理学も考慮する。 ◎疫学研究では、喫煙と肺癌は関連性があるということですね? ●はい。 ◎仮に非喫煙集団に比べ喫煙集団の肺癌罹患率が10倍高い場合、 喫煙と肺癌は関連性があるか? ●タバコが原因とは言えない。関連性が高いとは言える。 ◎「10倍高い」というのをどう説明するか? ●単に相対危険度が高いだけで、原因とは断定できない。 ◎非喫煙集団に比べ、喫煙集団に喫煙以外の何らかの要因はある か? 5倍、10倍も違う場合、喫煙以外の要因が明らかに異なる ということがあるか? ●(喫煙以外の要因を)同一にすることはできない。 ◎相対危険度が高いというデータを、JTの立場からどう説明す るか? ●(喫煙は)リスクとなる。 ◎喫煙によって(罹患率に)違いが生じたと言っていいか? ●そうは言えない。 ◎『タバコ白書』で、喫煙量が増えると肺癌の罹患率、相対危険 度が高まるが、これは喫煙と肺癌の関連性があると言えるか? ●関連性は示唆されている。 ◎これを「(肺癌には)さまざまな要因がある」という立場から どう説明するか? ●環境要因も影響していると思う。必ずしも用量反応性が明確で ないデータもある。 ◎病理学的に(罹患する蓋然性が)高いとは? 具体例を。 ●タバコ煙で肺癌を作成させるのは困難だ。 ◎(或る要因と疾病の)因果関係が明らかな例は? ●喫煙と肺癌という例は知らない。 ☆質問に答えていない。 ◆裁判長=(尋問者は)病理学的に(ある疾病の)「原因」とは どういうことかを訊いている。喫煙と肺癌以外で。 ●動物実験などで(調査する)。 ◎臨床的には? ●臨床医が検討した結果、判断する。 ◎たばこ事業等審議会懇談会の座長私見、「喫煙は集団として見 れば有害と言えるが、個々人については肺癌の要因は喫煙以外に も多数ある」というのは、JTの考えと同じか?   ●そうだ。   ◎(タバコの)危険性に弱い人とはどういうことか? ●遺伝子的に研究されて、少しずつ解って来ている。癌抑制遺伝  子など。    ◎遺伝子的に弱さを持った人ということか?    ●必ずしもそうではない。確定的には言えない。    ◎(タバコの危険性に)強い人・弱い人とは?    ●発癌の感受性が判らないと一概に言えない。    ◎タバコ煙中には多くの種類の発癌物質がありますね?    ●概ねそうだ。    ◎JTの社内ではこういう物質を研究しているか?    ●全てではないが、している。    ◎何という部門でしているか?    ●中央研究所で。現在はJTたばこ中央研究所。    ◎タバコ煙中には発癌を補助したり促進したりする物質が含まれ  ていますね?    ●はい。個々の物質を確認するのは難しいと思うが。    ◎1回の摂取は微量でも、長期間に渡ればリスクが高まるのでは  ないか? このデータをお持ちか?    ●研究データというより試算だ。    ◎「原因」と言える為には、肺癌になるのが全員喫煙者であるこ  とが必要か?    ●必ずしもそうではない。    ◎何らかの定量的判断を加えるということですね?    ●その他に病理学的判断など。    ◎原因と断定できないのは、非喫煙者も肺癌になるからか? 喫  煙者グループでも肺癌罹患率が低い(喫煙者の一部しか肺癌にな  らない)ということが、原因と断定できない根拠か?    ●根拠の一つだ。    ◎一定割合の喫煙者が肺癌になるということが必要か?    ●非喫煙者との比較が必要だ。    ◎動物実験で人と同じ状況を作るのは難しいのではないか?    ●動物が自発的に喫煙することは難しい。    ◎動物の種類によって癌の感受性は異なるか?    ●動物は人より均一(の感受性に揃えられる)。    ◎違う種類で、感受性が異なるのか(と訊いている)。    ●(感受性は)違う。    ◎多くの要因の複雑な相互作用を(動物)実験で行なうのは困難  ですね?    ●今迄も(動物実験は)行なわれている。    ◎実際の人間に即した疫学が最も重要な材料ではないか?    ●疫学の問題(限界)もあるので病理学も併せて考える必要がある。 ◎証人の経歴について。出向の経験は?    ●中央省庁に2回ほど。    ◎その時期と省庁名は?    ●73〜75年に環境庁。86年〜89年に大蔵省。    ◎それぞれどんな仕事をしたのか?    ●環境庁は水質保全局で基準値作成や都道府県への行政指導等。  大蔵省は理財局たばこ塩事業室で訟務をやっていた。    ◎昨年の給与は?    ●答えなければならないか?    ◎喫煙と健康問題調査室の人数・予算は?    ●発足当初は5名位。多い時で15名位。    ◎(7つの文献を提示)これらは検討したか?    ●(全部ではないが)検討した。    ◎JTの見解と相違するものも含まれていますね?    ●十把一絡げで言えない。    ◎それらの文献はJT(の対策)に反映されているか?    ●重要なものは社長迄上げている。    ◎JTが入手・検討した情報を大蔵省に報告したことはあるか?  ●あったかもしれぬが、今すぐには思い出せない。    ◎大蔵省に監督権限があるが、JTに報告義務はないのか?    ●義務があるかどうかは判らない。       ◎喫煙と肺癌について、WHOなどとJTの見解が違うが、JT  の研究レベルが高いとか低いとか言えるか?    ●それなりのレベルを持っていると自負している。 ◎タバコ会社から金銭を受け取っていない研究者で、JTと同じ 立場の研究者はいるか? ●竹本(和夫?)先生など。 ◎名目の如何を問わず、金銭の給付を受けていない研究者で(と いうことで訊いている)。 ●(因果関係を)否定する論文ということではなくて、(肯定す る証拠は)十分ではない、ということで。 ◎喫煙と肺癌(を肯定する立場)が多数を占める中で、JTが敢 えて少数派に属する理由は? ●(肯定するのは)主として公衆衛生・予防医学の見地。(これ に対し)総合医学的見地では、多くの研究者が(証拠は不十分と して)研究している。純粋医学的に考えても、(喫煙が肺癌の原 因とは)断定できない。<14:48〜15:00休憩> ◆津田(以下○)=「病理学とは動物実験」と言っていたように 思うが。 ●動物実験だけではない。人体病理学。剖検例を対象として、喫 煙を病理学的に研究する。 ○IARC(国際癌研究機関)は「喫煙については、動物実験は 十分な証拠がある」と言っているのを知っていますね? ☆きちんと答えなさい! ◆裁判長=そういう(きちんと答えない)傾向がある。端的に答 えて下さい。 ●喫煙はIARCでグループ (発癌性が明白)と評価されている。 ☆知っているかどうかを答えなさい! ◆裁判長=まず、イエス・ノーを答えて。それから補足をして。 ●動物実験と疫学調査でグループ とされている。 ☆まだ答えていない! ★(大声を出されると証人が)威圧されますよ。 ☆威圧するつもりはありません。[傍聴笑い] ○「交絡要因を完全に補正するのは限界がある」と言うが、完全 に補正するとはどういうことか? ●厚生省調査でもライフスタイルは補正しているが、それ以外は 補正していないので、完全に(補正するの)は難しいかと。 ○補正の仕方は知っているか? ●年齢訂正とか。具体的に補正したことはないので、具体的には 分からない。疫学論文は補正の仕方が記載されてないものもある ので、検証が難しい。 ○臨床医学で因果関係が判るさまざまな検査法とは? ●具体的には難しい。 ○臨床医学的には判断できない、ということですね? ●…… ○多くの臨床診断が疫学情報に基づいているのは知っているか? ●一部あるのは知っている。<15:15>   ◆伊佐山=米公衆衛生長官報告、1988年のニコチンの依存性につ いての報告は知っているか? ●検討したことがある。 ◆伊佐山=B&W社副社長の「ニコチンには依存性がある(Addictive)。 我々はニコチンを売る商売をしている」という内部報告は? ●知らない。Addictiveは依存性ではなく、嗜癖性だ。依存性は Depend。<15:21>   ☆東大農学部入学の動機は? ●漠然とした動機だ。理科系が好きだった。 ☆日本の農業に尽くしたいとは? ●そんな動機はなかった。 ☆薬の効果判定はどうやるのか? ●動物実験とか、臨床検査とかを総合的に判断する。   ☆薬効判定の基本的手法は、暴露群・非暴露群に分けて、有意差 を見るのが基本ですね?   ●プラシーボ(偽薬)効果なども考慮する。   ☆薬効判定に、「薬が100%の人に効いた」ということが必要で はないでしょう?   ●その通りだ。    ☆どう判断するのか?    ●一般的には有意さを以て判定する。    ☆専売公社入社の動機は?    ●30年以上前なので、明確な動機は覚えていない。   ☆大体喫煙と健康の関係に携わって来た訳ですね?    ●そうだ。喫煙と健康の関係を長くやっているので、社内的には  専門家とことになっている。文献を分析したりする。    ☆研究結果を上部に伝えるということをやっていたんですね?   ●重要度に応じて。    ☆『たばこと健康Q&A』や第一次・第二次警告表示を決めるの  に腐心されたのか?    ●当時、喫煙と健康問題調査室にいたので、作成に関与していた。  72年の(注意表示の)文言は蔵相の指示で、私は関与していない。  ☆75年からは喫煙と健康問題を担当していたので、監督官庁に情  報提供していたと思うが?    ●第二次警告表示はたばこ事業審議会の答申に基づき、専門家の  意見に従い、大蔵省令に基づいて定められた。私共が関与する余  地はない。    ☆省令が出た後で検討したりしたか?    ●外国の(表示の)例などを分析した。    ☆62年の英王立医師会報告、64年の米公衆衛生総監報告はどんな  報告か?    ●当時の文献をレビューし喫煙と肺癌の関係を示唆した報告だ。  ☆平山雄のコホート研究を知ってますね?    ●65年に登録され、66年から82年迄行なわれた。    ☆一言で言うと?    ●喫煙は肺癌だけでなく、いろいろな癌や虚血性心疾患などの原  因であることを疫学的に示したものだ。    ☆『タバコ白書』初版・第2版は精密に検査されてますね?    ●見ました。    ☆主尋問で証人は「初版と第2版で変化が無かった」と言ってい  るが、それらの内容は?    ●基本的には違わないが、喫煙と肺癌は関係があるということを、  主として疫学から示したものだ。    ☆97年の厚生白書がかなり話題になったのを知っているか?    ●タバコについて今迄になく記載されていると思った。主として  公衆衛生・疾病予防の観点から記述されているので、総合医学的  見地からは十分ではない。    ☆『世界銀行報告』は精査されましたね?    ●出たことは知っているが、具体的に検討したことはない。    ☆WHOの『JT Explained』を読んだか?   ●昨晩、書証として出たのを初めて見た。    ☆62年以来、97年迄、一貫してタバコは肺癌の原因という趣旨で  すね?    ●基本的にはそうだ。    ☆毎年、何万人もが死んでいる。JTの対応は不適切だった、と  は思わないか?   ●数値については仮定に基づいたもので、合理性はない。JTに  違法・過失があるとは思わない。    ☆喫煙によって日本人は一人も死なないと断定できるか?    ●断定できない。    ☆だとすると、30年間のあなたの研究は何をしていたのか?    ●……。    ☆去年5月のブルントラントWHO事務局長の発言は知っているか?    ●発言したという記憶はある。    ☆98年8月7日、「21世紀のたばこ対策検討会」で、証人は「タ  バコはお茶やコーヒーと同様、本人の意思でやめることが可能な  嗜好品」と言ってますね?    ●そう言った。コーヒーを飲んで異常行動を起こすことはない。  そういう意味で同じだ。   ☆WHOとは落差があると思うが、気づいているか?    ●落差はあると思う。ブルントラント氏は環境面で立派な方だと  思うが、タバコ面では差が大きい。    ☆「タバコとコーヒーが同じ」と言うのは、「ライオンと猫は同 じ」と言うのと同じだとは思わないか? ●そうは思わない。 ☆タバコには牙があるが、お茶には牙が無い。 ●リスクという点では違う。コーヒーは似ている。自己管理可能 な嗜好品ということで発言した。 ☆タバコはお茶・コーヒーと同様止められると思うか? ●「やめにくい」という声があるのは知っているが、基本的には 自己管理可能な嗜好品だ。弱いながらタバコには依存性がある。 止められない人もいるが、止められた人も多い。男性喫煙率80% が50%に減っている。高齢層が減っている。 ☆(残った)50%はやめられないのか?  ●やめようとしない人もいる。 ☆個人の意志で喫煙行動が変わるか? ●個人の意志は重要だ。病院などに通わずにやめた人もいる。個 人の意志でやめられると思っている。 ☆薬理性・依存性・嗜癖性はない、と言うのか? ●弱いながらも薬理活性はある。 ☆ニコチンの薬理活性を受けているということは、病んでいると いうことだから、それでも意志でやめられると思うか? ●病んでいるかどうかは難しい。 ☆純粋に個人の意志でやめられるという報告はあるか? ●私の周辺でもそういう人がある。 ☆何%位がやめたいと思っているか?    ●「やめたくてもやめられない」は40%位。多少はある。 ☆そんな調査がありながら、自分の周りの人だけを見て判断する のはおかしい。 ●(タバコは)身の回りに存在する物なので、やめにくい場合も ある。   ☆専売公社はどういう目的で事業をすると考えたか? ●喫煙と健康の問題は重要なので、そういう認識を持って行なう と。目的とは言えないが事業を為す上で喫煙と健康に配慮すると。 ☆「専売公社法」第1条に「健全でかつ能率的な業務を行なう」 とありますね。「喫煙と健康にも配慮する」ということですね。 ●はい。 ☆民営化後の目的は? ●喫煙と健康の問題は引き続き重要なので配慮するということ。 喫煙によって明確に(疾病との)因果関係が存在すれば問題なの で、そういうことのないよう。 ☆「たばこ事業法」第39条の趣旨は? ●タバコと健康の関係で省令で定める文言を付ける、と。 ☆タバコ事業をやっていく上での関係ある法令は? ●「未成年者喫煙禁止法」「たばこ事業法」など。 ☆憲法第13条・25条の「健康で文化的な生活」云々等の秩序の中 でやるということは、当然ですね? ●そうだ。 ☆未成年者喫煙禁止法は、戦後どのような目的で維持・活用され てきたか? ●制定当時、小さな人が喫煙しているので、これは問題だという ことで制定されたと。 ☆戦後は未成年者を保護してゆくということで活用されて来まし たね? ●そうだ。 ☆タバコは食品衛生法と近いと思うが? ●必ずしもタバコが近いとは思わない。 ☆幼児の誤飲を知ってますね? ●知っている。 ☆食品と誤飲と似ていないか? ●基本的に違う。 ☆飲物と似ていると思わないか? ●いいえ。 ☆口内から摂取するという点で食品と似ていないか? ●摂取法が違うので、似ているとは言えない。 ☆食品衛生法の不衛生な食品の販売禁止の条項を知っているか?  ●具体的には知らない。    ☆「健康を損なう恐れ(のある食品は販売禁止)」とある。    ●そういうことは知っている。    ☆参考法令として毒物・劇物取締法を知っているか? 別表にニコ  チン・砒素・アンモニア・フェノール等があるのは知っているか?  ●知っている。それらの成分がタバコ煙中に含まれているのは知  っている。    ☆つまり、タバコはかなり気をつけて扱わなければならない、と  いうことは知ってますね?    ●定量的な面があるので、一概には言えない。    ☆消費者保護法の「危害の防止」について知っているか?    ●知っている。    ☆あなたの業務の行動基準を知りたくて訊いている。監督官庁と  しては、大蔵省・厚生省ということでしょうね?    ●基本的にはそうだ。    ☆厚生省はどのような目的の省であると思うか?    ●公衆衛生の目的を達成して、最終的には疾病を予防し、国民の  健康を守る省庁だ。    ☆大蔵省は?    ●我国の財政・税政・金融について総合的に所管してる官庁だ。  ☆専売公社であれJTであれ、業務を行なうには適正な目的を立  て、実施し、評価するということですね?    ●一般的にはそういうことだ。    ☆大蔵省はタバコ事業を大きくしようとしていたのか、小さくし  ようとしていたのか?    ●専売公社の発展というか、効率性というか、そういうことで行  なわれてきた。       ☆葉タバコの有害物質は? ●葉タバコについては少ない。燃焼の過程で出る。 ☆健康影響についての定量的調査はどのように認識されてたか? ●もっと研究しなければならない。 ☆今迄研究したことはない、ということか? ●疫学とか病理学とかの報告がなされている。 ☆過去の日本で、喫煙でどれだけの健康あるいは命が損なわれた か、という研究をしているんでしょう? ●疫学研究で「何万人死んでいる」というが、仮定の数値だ。少 なくとも学問的には明確に言うことはできない。 ☆(タバコが原因での年間死亡)9.5万人に対し、あなたは1 人も死なないと思うか? ●結果的に集団として見た時、そういう数値が出るかと思うが。 ☆疫学は予防の機能を果たしますね? ●疫学の大きな目的は疾病予防。疫学は感染症の予防に有効に扱 われたが、肺癌のような場合は確定的に言うことはできない。 ☆9.5万人に対し、あなたはどの程度の幅で認めるのか? ●米公衆衛生報告で100万人当たり8000人。(米国男性の)喫煙 率は当時40%位だ。<16:30> ◆裁判長=あとどれくらいかかりますか? このあと別の事件が 入っているので。 ☆1時間半位。[残りは次回に持越しということになる] ★証人の負担が多いので、尋問事項と時間を出してほしい。 ☆明日出します。 ◆裁判長=次回は5月21日(火)10:00〜12:00位。 ★若干の再主尋問も…。 ◆裁判長=その時間は取ります。[次々回7月16日(火)10:00]